フル電動自転車は電動アシストに対する用語ですが、中国ではかなり以前から、電気
動力によるフル電動走行可能な自転車が普及しています。しかも、農村部での普及に著し
いものがあることには驚かされます。
フル電動自転車と言えば中国(China)
過日、中国での出来事。中国自転車協会と中国蓄電池業界協会が、電気自転車の購入
を対象に、購入補助金20%を設定するよう、政府に要請するということがありました。
中国政府は農村部への「自動車」普及の政策の一環として、自動車に購入補助金13%を
付けると発表。電気自転車(フル電動自転車)への配慮がまったくないままであったこと
に対し、中国自転車協会と中国蓄電池業界協会が「ものいい」をつけたものでした。
というのも現在、中国の農村部においては、そこの学生のうちの約3分の2が電動自
転車での通学をしている事実があるそうで、電動自転車の需要の大きさを考えれば、政策
から保護を受ける条件としては大きなものがあるのではないか。というのが政府への要請
理由となっています。その際、協会側では自動車に比べ環境保護効果が高い電気自転車の
存在をアピール。自動車の13%にくらべ、20%の補助金を電気自転車にという強気の要請と
なっています。
この要請がとおるのか却下されるのか、問題はバッテリーの問題にあるようです。フ
ル電動自転車の使えなくなったバッテリー、すなわち廃電池の処理をどうするのかという
課題が大きな争点になっていると言われます。
こういった中国では日本のように小型犬を背負うバッグやペットキャリーバッグなど、
そんな事情は二の次の状況です。
電気自転車は自動車と違い、排気ガスを出さないという、今国際的にも最大の問題で
あるCO2問題に大きく寄与する存在です。しかし、CO2のかわりにバッテリー(廃電池)と
いうゴミを発生させてしまうのです。ゴミはリサイクルの仕組みの整備とリサイクル度の
高さが勝負。日本でいうフル電動自転車についてもバッテリーのゴミ問題は同様です。中
国での政府への要請の今後が注目されるところではあります。
水力発電所の建設のため、農家を都心部に移転させながら電力供給事情を向上させて
いる中国です。これを受けて、従来から自転車の普及が著しかった中国では、電動自転車
が必然的にこれにとってかわる方向で現在に至ります。
ただ、中国の場合、電動自転車に対するアシスト比率や出力規制がほとんど行われて
いない状態のようで、日本でのたとえばアルペンignio電動ハイブリッド自転車の評価と
口コミ情報など、規制をクリアしつつ如何に高性能を発揮するかということとは無縁のよ
うに思われます。規制の中で電動自転車を購入し自転車部品をセレクトするという、タイ
トなエコ的発想の出現には時間がかかるようです。
日本では、フル電動自転車の電動出力の特定が進むやいなや、原付車として規制の対
象となっています。ところが中国ではあくまでも動力性能の高い自転車として大手をふる
って走行しています。こういった中国の「フル電動自転車事情」が日本にも影響している
ことは否定できません。