フル電動自転車を公道で乗るには免許証(運転免許証)が必ず必要です。電動アシスト自転車のように、人力に対する電動アシストの比率が法定内のものであれば自転車扱いでOKですが、電動でフルに自走するフル電動自転車の場合、600W以下の電気動力(モーター)を搭載する第一種原動機付自転車扱いとなり、これを公道で乗り回すことは原付を無免許で乗ることと同じです。当然ながら、折りたたみ自転車方式のものでもそれは同じです。
フル電動自転車と免許について
玩具扱いで販売されているフル電動自転車をそのまま無免許で運転することは、原付の無免許運転よりも罪が重いと言えるでしょう。原付の運転に免許を携帯していなければ免許不携帯で済みますが、フル電動自転車の場合、まずナンバープレートがありません。強制加入の自賠責にも未加入であり、ウィンカーやバックミラーの保安部品も未装着という、幾重にも違反を重ねた状態であるからです。
別ページの「自走機能付電動自転車を公道で使用するにはどうしたらよいか」では運転免許証を公道走行に必要な一つの要件として列記していますが、原付免許を携帯さえしていれば公道走行可能というわけにはけしていきません。フル電動自転車には免許が必要というのは、正確ではなく、「免許も必要」であるということなのです。ご参照下さい。
排気量の大きなバイクにも乗る人ならわかることですが、四輪の車と一緒の公道走行では、ある程度パワーのあるバイクの方が安全に走行できるようになっています。少なくとも、四輪ファミリーカークラスの走行性能を備えたバイクであれば、車の流れに乗っての走行が可能であるからです。
その点、原付のスクーター程度のパワーだと、大きな車道では、フルスロットルであっても邪魔者扱いされるケースがあり大変に危険です。ましてや、フル電動自転車の場合、スクーターよりもさらに非力。公道での走行ではさらに危険度が増すことは目に見えたことです。
既存の電動アシスト自転車の販売価格は6・7万円から10万円前後が相場ですが、フル電動自転車はマイナーな販売のされ方をしていて3~4万円で購入出来てしまいます。これに、興味を持つユーザーに対する販売者側の売らんかなの姿勢が丸見えなのですが、結局のところ「玩具扱い」のものを販売するわけで、安くて当然と言えるかもしれません。
実際、フル電動自転車を公道走行可能な状態にするには面倒な手間を幾重にもかけた上に、おそらく本体購入価格とほぼ同等の出費を覚悟しないといけないでしょう。それなら初めから安心のメーカーが販売している、少し高めで高性能な電動アシスト自転車を購入した方が良いのではと思えてなりません。
最近の電動アシスト自転車にはビジネスモデルもあり、体感的にもかなりのハイパワーです。少なくとも現在の日本にあっては、フル電動自転車の免許の問題で電動自転車の購入と自転車部品について悩むくらいなら、電動アシスト自転車にだけ目を向けた方が得策であると言えるでしょう。